自作スピーカー D-10(バックロードホーン)

自作スピーカー

長岡鉄男先生設計のバックロードホーンD-10です。
長岡先生のスピーカー本を何冊か読んでいて、最も作りたかったスピーカーです。
大きすぎず、小さすぎず、かわいいサイズですが、かなり本格的なバックロードホーンで音質も期待していました。

仕様

・板材・・・シナ合板(15mm厚)
・スピーカーユニット・・・Fostex FE108EΣ

FOSTEX FE108E
by カエレバ

材料

板材とカットは初めてネットで依頼してみました。
精度的に若干不安はあったのですが、とても良い精度で加工されていました。

製作

クランプ製作

大型スピーカーではありませんが、組立には大量のクランプが必要です。
今回はクランプも余った板材を使って自作しました。

組立

上写真を2セット作ったのですが、結果的にはやはり数が足りませんでした。
もっとたくさん(数も種類も)クランプがあれば、効率的だったと思います。


ただ、作業時間の制限(忙しくて30分/日くらいしか割けなかった)、スペース的な制限(作業部屋が狭い)から、次から次へ作業が出来たわけではありませんでした。

一日一工程程度でゆっくり作業したので、これだけのクランプでどうにかなりました。次作ることがあったらクランプも追加する必要がありそうです。

塗装

水性ウレタンニス(つや消しクリア)で塗装しました。
効果は未知数ですが、スピーカー内部の塗装もしました。
塗装をすることで、スピーカー内部の木への吸音がなく、反射が多くなり、音質への効果があるかもと考えました。

和信ペイント 水性 ウレタンニス 艶消しクリヤー 0.7L
by カエレバ

スピーカーユニットの固定

スピーカーユニットは以下の目的により爪付きナットで合板を挟み込む構造としました。
・締結力の確保
・めねじ部の耐久力
シナ合板に木ねじでも充分な強度は得られると思いますが、後でめねじが駄目になってからナットにしようとしても面倒なことになります。
組立前に爪付きナットを付ける方が圧倒的に作業性が良いです。
ナットは爪付きナット以外にも鬼目ナットなどの選択肢はありましたが、最も強力に締結出来そうな爪付きナットを採用しました。
私は組立完了、スピーカーユニット取り付け直前に爪付きナットを取り付けましたが、組立前に作業した方が良かったです。
組立完了すると、スピーカーユニット背面スペースは結構狭いので、爪付きナットを付けるのも一苦労でした。

小川精機 OS M4 爪付ナット (79870040)
by カエレバ
鬼目ナット Eタイプ M4X10mm
by カエレバ

保護カバー

子供の目つぶし対策でスピーカーには保護カバーを付けました(必須ですね)。

FOSTEX KG810P スピーカーグリル
by カエレバ

まとめ

上記の通り、ゆっくり作業をしたので、塗装を含めると軽く1ヶ月はかかりました。
音は非常に素朴で自然な音です。
小型とはいえバックロードホーン、これまでに作った(改造した)、ブックシェルフ、スパイラルホーンよりも力強いです。

出来栄えには非常に満足しています。
完成後、しばらくは眺めて、にやけてました。
スピーカーの次回作は未定ですが、次はもっと効率的に作れると思います。

コメント

  1. こんにちは。はじめまして。ボクもお父上と同じくスパイラル・ホーンを若い頃自作しました。本記事のD-10のようなフロント開口のBHは未経験です。私のスパイラルは貴方様もご存じの長岡先生のご本にあったもっとも原始的なヤツだと思います。なんと前後の板が3ミリベニヤだもんですから(^o^)・・・それを裏板には桟木を敷きつめて貼り付け、全面はのこぎり屑をボンドで練って塗り付ける(中央のバッフル板と同じ厚みに)など、改造したりしました。今はユニットなしで仕舞われていますが、FE-103も 入手してあるので、また鳴らしてみようかなぁ~・・・と思っています。あなた様の工作姿勢が(そんなに専門家でもなさそうなのに)慌てず冷静に取り組むムードが出てて、感心しましたヽ(´▽`)/

    • atsumin より:

      たまきちゃんさん コメントありがとうございます!自作したスピーカーはとても愛着がわきますよね。ご推測の通り、専門家でもなく、音を追及するというようなことはやっていませんが、製作工程は非常にわくわくしていたことを覚えています。スピーカー復活の際には是非ご紹介して頂きたいと思います。

      • ボクなんかより、はるかに箱作り理論をマスターされていて、尊敬しちゃいます。スワンより上面開口型のBHを将来作りたくなってきました(^o^)・・・さて、ボクの原始的スパイラル・ホーンですが、ネック(空気室)に吸音材等なにも入れていません。オリジナル通り、FE-103(何かのアニバーサリーで生産されたとかで、ヤフオクで入手)を付けるつもりですが、そこでご質問です。そもそもこのネック?空気室?に吸音材を入れるのはどういう傾向の改善のためなのでしょうか?バスレフや密閉箱の吸音材の量による音の違いは、知っています。よければ勉強のために教えて下さい。今は平面バッフルの音づくりに四苦八苦しています。フトンをぎゅうぎゅう詰めにしたら、まぁまぁ良くなりました。

        • atsumin より:

          たまきちゃんさん ご質問の吸音材については、正直なところ、私は長岡先生の設計に忠実に製作しており、効果までは検証しておりません。ただ、イメージですが、反響をほどほどに抑え、音を落ち着かせるような効果があるのではないでしょうか?つたない説明で申し訳ありません。

          • たまきちゃん より:

            なるほど・・・そうですか。なんとなく、わかります。ま、バスレフや密閉の吸音材効果と似たようなものでしょうね。ありがとうございました。