CDというメディアと収納
10年ほど前に初めてのDIYでCDラックを製作しました。
このCDラックは初めてDIYしたにもかかわらず、納得出来るものが出来、長年活用してきました。
ただ、現在の自宅に引っ越してからは、部屋のレイアウトにいまいちマッチせず、置き場所に苦慮していました。
さらに、現在は音楽のサブスクリプションサービスApple Musicを利用しており、わざわざCDを出して聴く機会はほとんど無くなってしまいました。
寂しいですがCDというメディアは既に前時代的なものになってしまいました。
大学時代にはバイト代のほとんどをつぎ込み、中古CD屋さんに通い詰めて購入した思い入れのあるCDなので、「もういらない」と捨てることは出来ません。
かと言って、利用頻度の低いものを保管するような無駄なスペースもありません。
そこで、デッドスペースを利用してCDラックを製作することにしました。
また、以前製作したCDラックを分解し、組みなおすことで、材料を有効活用し、出費を抑えました。
構想
設置場所は部屋の窓の下のあいたスペースです。
CDは奥行き150mmくらいなので、壁に接するようにCDラックを設置すれば、部屋を圧迫することはありません。
幅は窓の幅に合わせて最大1850mm、高さは床とカーテンの間の高さに合わせて最大980cmとします。
Autodesk Fusion 360で3D CADで設計しました。
棚1段の高さ(内寸)は142mmとしました。
CDケースの高さは124mm、紙ジャケの高さはばらばらですが、一般的な紙ジャケであれば142mmには収まります。
棚の高さ(内寸)を142mm、棚の板厚18mmとすると、6段で高さが978mmとなり、上の寸法にちょうど収まります。
CDラックのリメイク
当初は、新規で材料を購入して製作する構想でしたが、その場合、製作済みのCD棚の処分を考えなくてはいけません。
分解して材料を流用、リメイクすることにしました。
製作済みのCDラックの棚板が600mmなので、これを横に3枚並べ、棚板内寸を1,800mmとしました。
側板の板厚を考慮すると、外寸で1,836mmとなります。
幅も上で定めた寸法に収まります。
問題となるのは、棚板3個を横に並べる方法です。
木目に対して横方向の板はぎは経験がありますが、縦方向は接合部に荷重が集中して強度不足になる恐れがあります。
そこで、棚板の合わせ目を仕切り板で支える構造としました。
側板との固定はねじ止めとし、反対側は仕切り板に乗る形で荷重を支えます。
中央の板は両端を仕切り板に乗せて荷重を支えます。
製作済みのCDラックは幅600mmの両端支持でCDを満載しても棚板のたわみなどは起きていません。
棚板を側板、仕切り板に固定さえ出来れば強度的には問題無いだろうと推測しました。
構想段階では下の固定方法の案を考えましたが、実際に製作しながら決めることにしました。
・ダボを使って板を接合する
・仕切り板にねじ止めする
材料
製作済みのCDラックの板を使い、棚板、側板にします。
天板と底板は新たに材料を調達しました。
材料は流用したものも、新規で調達したものも18mm厚のパイン材です。
今回の出費は約2,000円でした。
材料全てを新規で調達した場合は約6,500円と思います。
CDラックの分解
側板と棚板の固定は釘で固定しています。
この方法だと接合が弱いことが分かったので、金具や筋交いで補強しています。
棚板の固定方法としてはいまいちだったので、これ以降は棚板をコーススレッドでねじ止めすることにしました。
今回は釘で棚板固定をしていたおかげで簡単に分解することが出来ました。
筋交いや補強金具を取り外し、側板は斜め方向にたわませながら取り外します。
木工用ボンドを塗布していましたが、割と簡単に取り外せました。
棚板も同じようにたわませながら1枚ずつ取り外します。
側板に残った釘は先端側から打った後で、当て板を置いて釘を抜きます。
組立前の状態に分解出来ました。
製作
材料カット
新たに製作するCDラックとしても棚板は棚板として使いますが、側板は2枚を側板、それ以外はカットして仕切り板や棚板として使います。
側板2枚は、142mmにカットして仕切り板12枚、600mmにカットして棚板を1枚にします。
新たなCDラックの側板は組立ながら高さ方向のカットをすることにしました。
側板は壁の巾木を避けるために奥の角をカットします。
これ以外に天板、底板は新たに材料を調達しました。
以下の寸法でホームセンターでカットしてもらいました。
・天板:148mmX1803mm
・底板:140mmX1803mm
底板の方が幅が狭いのは、側板をカットしたのと同じ理由で、壁の巾木を避けるためです。
組立
床板に仕切り板をねじ止めします。
側板も底板にねじ止めします。
この際、側板と床板の床面が一致するようにします。
そうしないと、側板が傾いたり、ラックにガタツキが残ったりします。
これから棚板を止めていきますが、今回は棚板を横方向に連結させながら組み立てていく関係で、側板を平行にするために、側板と天板を仮止めし、側板の隙間が一定になるようにしました。
そうしないと、連結した棚板3枚の横幅と天板の横幅がずれてしまって、天板と側板に隙間があいてしまったり、狭くて取り付けられなくなってしまうことが想定されます。
棚板を側板にねじ止めします。
反対側の側板にも同じように棚板をねじ止めします。
中央の棚板を乗せてみました。
隙間はぴったりです。
1枚の仕切り板が2枚の棚板を支える構造となります。
仕切り板は厚み18mmなので、棚板の合わせ目を中央にすると、9mmずつ乗ることになります。
左右の棚板は側板にねじ止めされていますが、中央の棚板は仕切り板に固定しなければいけません。
中央棚板と仕切り板の固定を強固にするために、仕切り板はわずかに中央寄りに取り付けています。
中央棚板との接触幅が10mm、左右棚板との接触幅が8mm程度です。
中央棚板はコーススレッドで仕切り板にねじ止めします。
左右の棚板は側板にねじ止めされているため、釘打ちだけでOKと考えました。
2段目の仕切り板はダボによって連結します。
ダボ錐でダボ用の穴をあけます。
どうせ隠れるのでだいたいの位置でOKです。
ダボ用マーキングポンチで棚板と仕切り板のダボ用の穴位置を合わせ、仕切り板にもダボ用の穴をあけます。
棚板側にダボを打ち込みます。
棚板のダボと、仕切り板のダボ穴を合わせて、仕切り板を打ち込みます。
棚板を固定したコーススレッドと釘が隠れて見えなくなります。
最上段の棚板と仕切り板まで同じ手順で組み上げていきます。
最上段の仕切り板にもダボを打ち込み、天板の底面にダボ用の穴をあけます。
写真がありませんが、このタイミングで側板は天板に合わせてのこぎりでカットしました。
まとめ
最大収納枚数は約1,080枚です。
若干空きスペースを残していますが、無駄なく収納効率が非常に高いCDラックになったと思います。
我が家のCDで高さ142mmに収まらなかったのは1枚、UNKLEのPsyence Fictionの紙ジャケだけでした(高さ145mm)。
部屋を圧迫することなく、シンプルかつ実用的です。
今回はCDラックをリメイクしたことで、手間はありましたが、出費を抑えて約2,000円で製作することが出来ました。
材料全てを新規で調達した場合でも6,500円で製作可能です。
棚板を横方向に連結する手間も無いので新規材料で製作した方が作業効率も良いと思います。
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