観音扉付きの大型本棚製作

幼稚園からの依頼で観音扉付きの大型の本棚を製作しました。
製作までに3パターンの構想と、その選定、製作と、長い長い道のりがありました。
構想から製作までの過程をご紹介させて頂きます。

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幼稚園の本棚

子どもがお世話になっている幼稚園で絵本用の大きな本棚を必要としているとの情報が入ってきました。
私は自宅で使用する本棚を全てDIYしており、これまで7点製作しています。


幼稚園の要求の本棚は、幅900mm、高さ1800mm、奥行き320mmと大きく、棚の高さも内寸450mm×1段、320mm×4段と細かい指定があります。
私でも製作出来そうな雰囲気があったため、まずは構想図と概算見積もりを出してみることにしました。

初期構想

要求項目

幼稚園から提示された条件は下記です。
・幅900mm、高さ1800mm、奥行き320mm
・棚の高さ内寸450mm×1段、320mm×4段
・扉付き
・ナチュラルな雰囲気

幅とたわみ

ホームセンターで入手出来る一般的な板材のサイズはサブロク板(3×6板)と言われる910mm×1820mmです。
製作する本棚の幅は900mmであり、サブロク板の幅とほぼ同じです。
過去に製作した本棚はほとんどが幅600mmであり、1点だけ幅900mmで製作したものがありました。
幅が900mmもあると、組立後にも横方向のたわみが少し出てしまいました。
私が製作する本棚は(TT)戸田プロダクション (著)「清く正しい本棚」の製作方法に忠実に従っており、幅600mmの本棚は本を満載してもたわみはほとんど出ません。

(たわみに強い理由は製作する際にもご紹介いたします)
でも幅が1.5倍の900mmになると、同じ製作方法では厳しそうです。
上記のような経験があったため、今回は棚板の中央に間仕切りを設け、強度を持たせることにしました。

材料

材料は見た目、入手性、作業性からパイン材を第一候補として考えました。
第二候補としてシナ合板も考えたのですが、木口へのねじの締結の強度と作業性に不安を感じて不採用としました。
ベニヤは木口にねじを締めると割れてしまうので、木口にも下穴の処理が必要になります。
と同時にねじに垂直方向の荷重が掛かることで、ベニヤが裂けるというリスクがあります。

高さと材料

ホームセンターで入手しやすい板材の板厚は18mmです。
私がDIYで使用するパイン材は全てこの板厚のものです。
大型の本棚となるので、最低でもこれくらいの板厚は必要だと感じました。
とすると、「棚の高さ内寸450mm×1段、320mm×4段」を計算すると、1838mmとなります。
ハカマ(上げ底部の正面板)も必要ですが、間違いなくサブロク板のサイズ1820mmには収まりません。
選択肢としては①2430mmの材料を使用する、②1820mmに収まる内寸にする、のどちらかです。
初期構想としては、どちらかで対応することとし、この段階では決定しませんでした。

私は本棚には扉を付けません。
埃はかぶってしまいますが、それよりもどこに何があるかパッと見える方を優先します。
ただ、今回の本棚は扉が要求事項にあります。
扉のイメージとして、引き戸や上下開閉式の扉の連絡があり戸惑いました。
私からの提案として、観音扉でのイメージ図を見て頂くことにしました。

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構想図


3D CAD AUTODESK fusion 360を使用してモデルを製作しました。
慣れない3D CAD操作にはフラストレーションが溜まります。
慣れるまでの辛抱と考えています。

概算費用

パイン材のサブロク板は、近所のホームセンターでは5,000円以下で入手出来ます。
4枚+その他の部品5,000円で25,000円くらいかな?と思い、構想図を付けてお伝えしました。
(後の詳細設計で大きく予算オーバーしてきます)

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市販品

ニトリにも1cm単位でオーダー出来る本段がありますが、軽く50,000円は超えます。
経験的に「お値段」を売りにするニトリがほぼ底値と考えて良いと思います。
ニトリの本棚がどの程度の強度があるかは分かりませんが、強度において「清く正しい」製作方法に勝ることはあり得ません。

受注と正式見積もり

構想図と概算見積もりの提示の結果、幼稚園からは、「是非よろしくお願いします」とありがたいお言葉を頂きました。
正式見積もりのため、木取図の作成、蝶番や取っ手などの部品や、ニスなど必要なものを洗い出し、ホームセンターでの価格の下調べを始めました。
ここで想定外の見積もりオーバーが発覚しました。
1820mmを超える高さのパイン材は、1820mmのものと比較して割高となります。
近所のホームセンターでは1820mm×910mmのパイン材は5,000円以内です。
1820mmを超えるパイン材は、2430mm×910mmのようなサイズは無く、2430mm×400mm、または2430mm×450mmがありました。
料金はどちらも1枚で4,000円を超えます。
合計費用は3,5000円と、当初の予想よりも10,000円も高くなることが発覚しました。
そこで、費用を抑えるべくコストダウン案を構想しました。

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コストダウン構想

コストアップの要因は1820mmを超える板材です。
扉の高さは1838mm、側板の高さは1888mmと1820mmを僅かに超えます。
1820mmのものが使用出来れば、コストダウンすることが出来ます。
要求を取り入れながら1820mmの板材で製作するための構想として2案考えました。

<コストダウン案1> 棚、扉を2段組とする

棚、扉を上下2分割とし、ねじ止めして一体化することで1820mmの板材で製作する案です。
棚板は余分に一枚増加となりますが、1820mm×910mmのパイン材5枚で製作可能です。
費用は29,500円程度と、5,000円以上のコストダウンです。

<コストダウン案2> 棚高さ内寸を少しだけ縮める

高さ1820mmを基準とすると、扉が18mm、側板が68mmと僅かに足りません。
側板の不足分だけ棚高さを縮めると格段10mm以上縮める必要があり、要求から乖離してしまいます。
側板は2430mmのものを使用することとし、扉のみ18mm縮めるべく、格段320mm→315mm、420mm→410mmにする構想です。
費用は30,000円程度と、5,000円程度のコストダウンです。

採用された構想は

改めて正式な見積もりとコストダウン構想図を幼稚園に提示した結果、「費用は気にしなくて良いから当初案でお願いします」とのことでした。
個人的にはコストダウン案1が最も無駄がなく好みではあったのですが、この案はいつかのために温めておくことにします。